「村上宗隆は、一発のあるアベレージヒッター」友喜力②

企画・編集・構成を担当させていただきました、
九州学院・硬式野球部の前監督、坂井宏安さんの著書「友喜力」。
侍ジャパンの4番・村上宗隆選手からも推薦をいただき、読者の方にもご好評をいただいております。

本文中から印象的なフレーズを抽出してご紹介する連載2回目。
今回は本のタイトルとなった友喜力の章と、村上選手の章からピックアップしました。


「2010年夏は八代東に7-3で勝利して甲子園出場を決めたのだが、レギュラーのうち約半分を下級生が占めていた。下級生たちは表彰式でいただいたメダルを、スタンド外にいるメンバー外を含めたすべての3年生に捧げたのだった」

「メンバー入りが厳しい生徒に対して、最後まで期待を持たせるようなことを言い続けるのは、優しく振る舞っているようで、じつは残酷なことをしていると思う」

「九州学院のマネジャーは男子のみ。中には『九州学院でマネジャーをやりたい』と言って入ってくる者もいる。たしかに2年の夏が終わり、監督から通達を受けてマネジャーに回るのでは遅すぎる」

「1週間で500球以内という球数制限に関するルールが適用された中『ウチには選手がいないから無理』、『人数がいないから複数ピッチャーは作れない』と否定的なことを言う監督さんもいるが、それを言ってはおしまいである」

「『ウチには選手がいない』と言う人ほど『ベスト8には行きたい』と言っているように感じる。また『ウチの選手はダメですよ』、『ウチには選手がいない』という嘆きを耳にすることもある。しかし、そんなことを言っている時点で、自らの指導力のなさを周囲に触れ回っているに等しく、そもそも発言自体が生徒に対して失礼だ」

「ネガティブなことしか言わない指導者は『なかなかウチには良い選手が来てくれないんですよ』と嘆くが、私は“当たり前じゃないか”と思う。子供たちが“この学校で野球がしたいな”と思えるだけのチームを作れていないのだから」

「村上が初めて九州学院のグラウンドを練習している姿を見て、久しぶりにバットコントロールの上手い子が入ってきたなと感じた。ただ、当時はボールをバットの真芯で捉えすぎるがゆえに、打球に角度が付きにくく、なかなかフライ性の打球が上がらなかった」

「バッターとしての村上は、一発のあるアベレージヒッターという印象が強かった」

「私の教え子にあたり、北京五輪の陸上男子4×100mリレーで銀メダルを獲得した末續慎吾によるランニング指導も、村上の評価を高める大きな要素となった」

「村上宗隆という生徒は“叱りやすい、怒りやすい子”だった。村上のようによく怒られる子ほど、じつは手がかからないものである」

「プロ入りする村上に『打点王を狙える打者になれ』と言った。打点王を獲るということは、率が伴っている証で、当然ホームランも打っているということになる。ここぞの場面では、単打や外野フライで打点を取りに行く姿勢も大事になるだろう。また、それが今までもっとも大事にしてきた“チーム愛”を体現する村上の打撃スタイルでもあるので」

「リーグ優勝に向けて最大限の“友喜力”を発揮してきた村上だが、優勝を達成し、目標が自分の56号達成に変わった時に友喜力は薄れていった。それを思い出させてくれたのは、引退していく3人の先輩だった。ユニフォームを去る先輩方の姿に、彼の中で“友喜力”が蘇ってきたのである」

「“賢さ”という点においては、村上宗隆と末續慎吾というふたりの教え子は非常によく似たところがある。人の言うことに聞く耳を持ちながら、取捨選択も上手い。そういう意味では、世界を相手に戦っていけるだけの資質を、村上も備えていると言えるのかもしれない」

つづく

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